# --- Kifu for Windows (Pro) V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2009/12/23 16:15 終了日時:2009/12/23 17:09 棋戦:第31回フランボワーズカップ決勝 持ち時間:0時間15分 消費時間:121▲15△15 場所:文京シビックセンター スカイホール 手合割:平手   先手:中井広恵天河 後手:石橋幸緒四段 手数----指手-- *本局は第31回1dayトーナメント・フランボワーズカップ決勝の中井広恵天河−石橋幸緒四段戦。持ち時間は15分、使い切ると1手30秒の秒読み(チェスクロック使用)。事前の振り駒で中井広恵天河の先手に決まった。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *16時15分、対局開始。 2 3二飛(82) *この手が指されると、会場からどよめきが起きた。 *「さすが、盛り上げますね」と松尾初段。 3 6六歩(67) *中井広恵天河は1969年6月24日生まれ。北海道稚内市出身。LPSA番号は7 *81年4月、女流2級。11歳10ヶ月は当時の史上最年少プロ。2002年、女流六段に昇段。86年、初タイトルの女流名人奪取。タイトル獲得は女流名人位9、女流王将4、女流王位3、倉敷藤花3の合計19期。棋戦優勝は大和証券杯1回、レディースオープントーナメント4、鹿島杯3の合計8回。LPSA棋戦では第1期、天河戦を獲得。日レスインビテーションカップで2回、1dayトーナメントでは6回優勝している。座右の銘は「鏡花水月(きょうかすいげつ)」。趣味はゴルフ・海外旅行。夫である日本将棋連盟棋士・植山悦行七段との間に三女。LPSAの代表理事を務める。 *昨年準優勝のリベンジを狙う。 4 3四歩(33) *石橋幸緒(いしばし・さちお)四段は1980年11月25日生まれ。東京都小金井市出身。LPSAの理事を務める。LPSA番号 10 *アマ時代から女流アマタイトルを数々獲得する。93年10月、女流2級。19歳で初タイトルの女流王将を獲得。以前は角換わりなど激しい攻めを得意としていたが、近年はゴキゲン中飛車を愛用している。2004年9月、女流四段。09年、女流王位戦で清水市代女流二冠に2−3で敗れて失冠。養護学校に通っていた経験を活かし、教室や大会などでハンデを持つ方への普及を積極的につとめている。書道は師範格で「開雲」の号を持つ。座右の銘は「万物生きてこそ光り輝く」。趣味は野球観戦(ベースボールエキスパート1級)と競技麻雀。 5 6八銀(79) *中井天河は1回戦で中倉宏美二段、準決勝で大庭美樹初段を破った。 6 3五歩(34) *石橋四段は1回戦で松尾香織初段、準決勝で船戸陽子二段を破った。 7 6七銀(68) *本日の対局場は文京シビックセンターの26階スカイホール。 *25階には展望ラウンジがあり、東京の街を一望できる。 *この時期はクリアな冬空が広がり、富士山もくっきり見ることができる。 8 4二銀(31) *石橋四段の戦前コメント「1局目から長手数の将棋が続きました。ここまで来たら200手越えをしたい。粘りまくりたいです」 9 7七角(88) *中井天河「先ほどの将棋もいい将棋でしたので、負けないくらいの内容を見せたいと思います」 10 6二玉(51) 11 8八飛(28) *なんと相振り飛車となった。意外な戦型。 12 7二玉(62) 13 3八銀(39) *中井天河は美濃囲いを目指す。 14 5二金(41) 15 4八玉(59) 16 8二玉(72) 17 8六歩(87) 18 9二香(91) *石橋四段、穴熊を目指す。 19 8五歩(86) 20 6二金(52) 21 5八金(69) 22 7二金(62) *珍しい形。△9一玉〜△8二銀〜△7一金寄の形を目指している。 23 8四歩(85) 24 同 歩(83) 25 同 飛(88) 26 8三歩打 27 8八飛(84) *深く引いて受けに利かす。 *▲8六飛〜▲7五歩〜▲6五歩として、▲2六飛を狙う指し方もあった。 28 9一玉(82) 29 3九玉(48) 30 3三銀(42) 31 9六歩(97) *穴熊の最弱点である端を狙う。 32 4四銀(33) *足早に銀を繰り出す。 33 4六歩(47) *「歩越し銀に歩で対抗」 34 8二銀(71) 35 4七金(58) *自然な駒組みで高美濃へ。 *後手の4四銀は3五に出られないので、使い方が難しいか。 36 7一金(61) *穴熊完成。 37 2八玉(39) 38 1四歩(13) 39 1六歩(17) 40 2四歩(23) *夕日が東京の街を赤く染める。 *余談になるが、昨日は冬至。この時期になると、高尾山からダイヤモンド富士が見られる。 41 2六歩(27) *銀冠を目指す。後手は△3三銀〜△3四銀の繰り替えが考えられる。 42 6二飛(32) *大盤解説は船戸二段、鹿野初段が担当しているが、△6二飛に意外そうな声を上げた。△6四歩と△5五銀を絡めてなだれ込んでいくつもりだろうか。 43 2七銀(38) 44 6四歩(63) 45 3八金(49) *高美濃から銀冠へ。金銀の密着度が増した。 46 6五歩(64) 47 5六歩(57) *4四銀を使わせずやわらかい応手。 *対局開始15分経過。残り時間は中井5分、石橋10分。 48 6六歩(65) 49 同 銀(67) 50 4五銀(44) *こん身の力を込めて△4五銀。▲同歩は△6六角だ。 *「若々しいですね」と船戸二段。 51 6四歩打 *「大駒は近づけて受けよ」。△同飛は▲6五歩が飛銀両取り。 52 3四銀(45) 53 6五銀(66) *大盤解説は中倉宏美二段と渡部愛TJPに変わった。 54 7七角成(22) 55 同 桂(89) 56 2五歩(24) 57 同 歩(26) *石橋四段は△4四角の筋で攻めをつなげるつもりだろうか。 *△3六歩▲同歩△2六歩▲同銀△5九角という筋もある。 58 3六歩(35) *ビシバシ攻める。 *大盤解説は野月七段と中倉彰子初段にチェンジ。 *中倉「相振り飛車は指されますか?」 *野月「相振り飛車は昔やっていました。昔は振り飛車党だったんです」 *中井天河はここから1手30秒の秒読みに入った。石橋四段は残り7分。 59 同 銀(27) *▲同歩は△2六歩が取れない。 *取り方の難しいところだった。 60 2六歩打 *じっと歩を垂らして様子を見る。もう1歩入れば△3五歩が生じる。 *秒読みで手を渡されるのは困るものだ。 *中井天河、ため息をつく。 61 9五歩(96) *野月七段「損のない手です。ただ、△3五歩があるので、すぐに攻めることはできません」 *石橋四段、残り5分。 62 2二飛(62) *少し首を傾げて2筋へ転換させた。 63 9四歩(95) *「あなたはあなた、私は私で攻め合いになりましたね」と野月七段。▲6六角の筋ができたこと、▲6三歩成△同金と形が乱せるようになったことで条件が変わったようだ。 *石橋四段は左手を首の後ろ側に当てている。 * *※中井天河は▲6三歩成△同金▲8四歩△同歩▲同飛の十字飛車を考えていたという。感想戦では△7四角という強手が示されていた。 64 2五銀(34) *気合の手抜き。これはすごいことになった。 *「△2五銀は石橋さんの性格からやると思いました」と野月七段 65 2三歩打 66 同 飛(22) 67 2四歩打 *△同飛なら▲3五銀とかわせる。 *野月「ここでこうやったらどうする」 *中倉「こうですか」 *野月「正解!!」 *中倉「偶然です(爆笑)」 *野月「偶然はいけませんよ」 68 同 飛(23) 69 3五銀(36) 70 2七歩成(26) 71 同 金(38) 72 2六歩打 73 1七金(27) *▲同金△同銀▲2四銀は△4九角が急所の角打ちとなる。 *石橋四段、ここから30秒の秒読み。「うーん」と石橋女流四段。 74 1六銀(25) *うなりながら銀を繰り出す。攻めだしたら止まらない石橋将棋。 *「△1六銀、すがすがしい一手ですね」と野月七段。 *「年末ですしね」と中倉初段 * *※石橋四段「1・2局目で辛抱しすぎたので、今回は行ってみちゃいましたよ(笑)」 75 2四銀(35) 76 1七銀成(16) 77 同 香(19) 78 4九角打 *▲3九玉だろうか。 * 「▲3六角の一手でしょう」と野月七段。 79 3六銀打 80 3八歩打 *※結果的に敗着となってしまった。野月七段指摘の△6八歩が有力だった。(1)▲同飛には△6六歩と垂らす。(2)▲4八金は△2七金▲3九玉△6七角成と挟撃して本譜よりも勝っていた。 81 6三歩成(64) *△3八歩がぬるいと見て踏み込む。 *石橋四段、頭を抱える。 82 3九歩成(38) *※「ここからはダメです」と石橋四段。 83 同 玉(28) 84 6七角成(49) *攻め駒が遠ざかるのはつらい限り。 85 7二と(63) 86 同 金(71) 87 9三歩成(94) 88 同 香(92) *攻守逆転の感がある。 *石橋四段、天を見上げる。 89 9二歩打 90 同 玉(91) 91 9四歩打 92 同 香(93) *「先手玉はもう1枚金気を渡しても詰みません。▲3六銀と▲2四銀が厚いんです」と野月七段 93 9三歩打 *歩の手筋連発。 *歩を投資するだけで大きな利益を得られる典型例となった。 94 同 桂(81) *時刻は17時。記者の席から遠く、ライトアップされた東京タワーが見える。 95 9四香(99) *歩の手筋の効果で、△9三歩と打てない。 96 7七馬(67) *ノータイムで着手し、攻めを催促。 *「△6六馬は▲4八角が待っています」 97 9八飛(88) *飛車を活用。▲9三香成からの攻めがより厳しくなった。 98 9六歩打 *「△9七歩は▲同飛が馬取りになってしまいます」と野月七段。 99 3一飛打 *「▲9三香成△同銀▲8五桂が分かりやすいです」と野月七段の解説があった。 100 6一歩打 101 同 飛成(31) 102 7一金打 *△7一金では▲7二金(△6一金は▲8一角で詰み)や▲9三香成で参るが、攻め駒が少なくなってしまった。 103 2一龍(61) 104 4四桂打 105 6四桂打 *「いやー」と声を出しながら桂を打った。 106 3六桂(44) *まだ、詰めろではない。 107 7二桂成(64) 108 6六馬(77) *後手玉は受けが利かないので最後の攻め。 109 5七香打 *冷静な受け。 110 8四歩(83) *上部脱出を狙うが。 111 7一成桂(72) 112 6五馬(66) 113 8一角打 *▲7二角もあった。 114 8三玉(92) 115 7二角成(81) 116 7四玉(83) 117 8六金打 *がっしり上部を厚くして、▲7五金打以下の詰めろ。 118 2八銀打 119 4九玉(39) *△7六馬とできないのが▲8六金の効果。 120 6六銀打 121 6一龍(21) *後手は受けなし。石橋女流四段の投了となった。終局時刻は17時9分。消費時間はともに15分(チェスクロック使用)。 *中井天河が2009年最後の大勝負を制し、1dayトーナメント7回目の優勝を飾った。 122 投了 まで121手で先手の勝ち