# --- Kifu for Windows (Pro) V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2009/10/24 13:00 終了日時:2009/10/24 15:48 棋戦:第3回日レス杯決勝 持ち時間:1時間30分 消費時間:90▲90△70 場所:東京 手合割:平手   先手:成田弥穂女子アマ王位 後手:石橋幸緒女流王位 手数----指手-- *第3回日レスインビテーションカップもいよいよ決勝戦。駒を進めたのは石橋幸緒女流王位と成田弥穂女子アマ王位。プロアマの王位対決でもある。注目の一戦は10月24日13時に開始される。 *決勝戦は持ち時間が1時間30分。使い切ると1手60秒の秒読みとなる(チェスクロック使用)。 *12時50分ごろに記念撮影をし、その後に対局室へ。石橋女流王位が駒箱を開けた。両者、大橋流で駒を並べていく。振り駒の結果は、と金が3枚。成田女子アマ王位の先手に決まった。立会人は中井広恵天河。記録係は高崎真子さん。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) *(※は感想戦の内容) 1 7六歩(77) *定刻13時になり、「定刻になりましたので、成田さんの先手でお願いします」と立会人の中井広恵天河が宣言し、対局が開始された。 *成田女子アマ王位の初手は▲7六歩。 2 8四歩(83) *対局室には多くの関係者が詰めており、厳粛な雰囲気の中で指されている。 3 6八銀(79) *成田弥穂(なりた・みほ)さんは宮城県在住の中学3年生。 *趣味はピアノ・空手(二段)。得意科目は数学。 *学校の制服姿で本局にのぞんでいる。 4 6二銀(71) *石橋幸緒(いしばし・さちお)女流王位は1980年11月25日生まれ。 *東京都小金井市出身。清水市代女流二冠門下。93年10月、女流2級。99年、初タイトルの女流王将を獲得した。 *タイトル獲得は計3期、日本将棋連盟主催棋戦優勝は5回。LPSAの理事として運営にもあたっている。 *現在は第20期女流王位戦で防衛戦を戦っている。 5 5六歩(57) *本棋戦を中飛車で勝ち上がってきた成田女子アマ王位。 *本局も中飛車含みの出だし。 6 1四歩(13) *石橋女流王位の本年度の女流公式戦成績は11勝5敗/勝率0.688。通算成績は300勝159敗/勝率は0.654。 *LPSA棋戦では、第24回1dayトーナメント・ファンクラブカップで準優勝、第25回1dayトーナメント・とちのきカップで優勝している。 7 1六歩(17) *成田さんは第2回全国学生倉敷王将戦低学年の部3位。 *第5回全国小学生倉敷王将戦高学年の部3位(準決勝で阿部光瑠奨励会三段に敗れた)。 *第28回・第29回の中学生選抜選手権女子の部優勝。第38回女流アマ名人戦で準優勝などの実績がある。 *今年は8月に行われた第12回中学生将棋王将戦で3位となった。 8 3四歩(33) *立会人の中井天河や関係者は退室し、対局室は対局者と記録係と中継記者の4人となった。 9 6六歩(67) *成田女子アマ王位は、天河戦ではゴキゲン中飛車で勝ち上がってきた。 *しかし、本棋戦では角道を止める、昔によく指された中飛車を採用している。 *次に▲5八飛と回れば、昔ながらの中飛車となる。 *もっとも、ここで▲5五歩は△5四歩があって危険だ。 10 5四歩(53) *本局で使用されている駒は大竹竹風師作の菱湖書。木地は珍しい孔雀杢。 11 5八飛(28) *成田女子アマ王位得意の中飛車となった。 12 4二玉(51) *石橋女流王位は10月14日に行われた第20期女流王位戦第2局で駒を飛び越える反則をして敗戦。 *タイトル戦での反則は珍しく、さまざまなメディアで取り上げられた。 *現在、女流王位戦は石橋女流王位の1勝2敗。カド番に立たされている。 13 4八玉(59) *「居玉は避けよ」。ともに玉を4筋に移した。 14 3二玉(42) *石橋女流王位は船戸陽子女流二段、渡部愛LPSAツアー女子プロ、笠井友貴女流アマ名人を降して決勝進出。 *スーツ姿で対局している。 15 3八玉(48) *成田女子アマ王位は松尾香織女流初段、島井咲緒里女流初段、中井広恵天河、中倉彰子女流初段を破り、第1期天河戦に続いての決勝進出を果たした。 *優勝候補の一人である中井天河を破った白星が光る。 *石橋女流王位にも勝って優勝すれば大ニュースだ。 16 5二金(61) *成田女子アマ王位はポーカーフェースで、そろりと駒音を立てずに着手する。 *それでいて、指し手は非常に厳しい。 *男性棋士だと、音無し流の丸山忠久九段に近い印象を受ける。 *気合を込めて指す石橋女流王位とは対照的だ。 17 2八玉(38) *成田女子アマ王位は前日に母親とともに上京したとのこと。 18 8五歩(84) *床の間に「安心立命」と書かれた故・原田泰夫九段の掛け軸がかけられている。 *安心立命は「人力を尽くしてその身を天命に任せ、どんな場合にも動じない」という意味。 *左側に八十一歳と書かれており、原田九段が亡くなる少し前に書かれた絶筆とのこと。 *。 19 7七角(88) *振り飛車では▲7七角、矢倉などの相居飛車は▲7七銀が受けの形。 *振り飛車で8八角・7七銀は悪型。7七銀が動くと△8六歩と突かれてしまうからだ。 20 7四歩(73) *急戦を狙う。 *ここまでの消費時間は成田女子アマ王位8分、石橋女流王位10分。 21 6七銀(68) *控え室では先崎学八段による、関係者向けの大盤解説が行われている。 *「懐かしいオープニングですね。最近は角道を止めないで中飛車にする人が多いんです。僕が将棋を覚えたころにはやった戦型です。どうして成田さんはこの戦型を覚えたんだろう」と先崎八段。 22 5三銀(62) * 「△5三銀は急戦と持久戦、両方を見ています。「△5三銀では△6四歩▲3八銀△6五歩▲同歩△7七角成▲同桂△8六歩▲6四角もありました。以下△8七歩成▲8二角成△7七とのとき▲5六銀と逃げられません」と先崎八段。 23 3八銀(39) *成田女子アマ王位は4分ほど考えて▲3八銀と上がった。 *持ち時間も長いため、慎重に考えることができる。 24 9四歩(93) *石橋女流王位はさほど考えずに9筋の歩を伸ばした。緩手の恐れもあるが、堂々としたもの。 25 9六歩(97) *端を手抜いて▲4六歩や▲7八金も考えられた。 * 「▲9六歩は受けるのが自然です。端の突き合いはほとんどの変化で振り飛車が得」(先崎八段) *後手は作戦の岐路。△2四歩や△3三角なら左美濃や穴熊、△6四歩なら急戦が予想される。石橋女流王位は6分以上考えている。成田女子アマ王位はゆっくり湯呑みのお茶を飲んだ。 26 3三角(22) *7分以上考えて指されたのは△3三角。△7四歩は急戦志向、△3三角は持久戦志向と方針が合っていないような印象もなくはない。 *13時40分の局面。消費時間は成田女子アマ王位15分、石橋女流王位25分。 *「先手は好機に▲6五歩と角交換を狙いたい。角交換になれば振り飛車のほうがバランスがいいのです」(先崎八段) 27 2六歩(27) *銀冠を目指した手。控え室では先崎八段が▲4六歩△2二玉▲7八金△1二香に▲6五歩△4四歩▲5五歩といった順を示していた。 *大盤解説会は現在、先崎八段と日レス将棋部の野島崇宏さんが担当しているという。野島さんは奨励会三段までいった強豪で、2007年には第20回アマ竜王戦で準優勝している。 *「▲2六歩は玉は堅くなるのですが、後手は安心したかもしれません。△1二香や△1一玉の形で角交換される順がいやだったと思います。銀冠に組んでいる間に穴熊に組まれると、すぐに悪くなるわけではないですが、振り飛車側はつまらないかもしれません」(先崎八段) 28 4二金(52) *金を寄せて陣形を固める。 *「早めに▲3六歩〜▲3七桂と跳びたい。△4四銀には▲4六歩、△4四歩なら△4二金寄が変な形です。その場合は△4三金のほうがよいですから」(先崎八段) 29 2七銀(38) *銀冠に組めれば、陣形が堅くなる。 * *※「穴熊よりも急戦を警戒したほうが良かったかもしれないですね」と中井天河。 *▲3六歩に△2二玉や△7二飛は▲3七桂とされたときに受け方が難しかった(△4四歩は△4二金寄とのバランスが悪い)。また、▲3六歩に△7五歩▲同歩△6四銀は▲7八飛△7四飛▲6五歩と決戦に挑んで十分指せていた。 30 7五歩(74) *13時50分ごろ、石橋女流王位はいきなり仕掛けた! 指されてみれば、▲2七銀と浮き駒ができた瞬間をとらえていてなるほど納得。「浮き駒に手あり」という格言もある。成田女子アマ王位はどこかで▲3八金と陣形に手をいれる必要がある。 *控え室では▲2六歩〜▲2七銀がマイナスになってしまっているかもしれないといわれている。先手の候補手は▲3八金、▲7五同歩、▲7八飛あたり。 *「△4二金寄は持久戦には不向きな形。▲7八金などと警戒しなくてはいけなかったですね」と先崎八段。 *「石橋さんはこのなんとか娘という囲いが好きなんですよ」と中井天河。 31 同 歩(76) *7分近く考えて▲7五同歩。 32 6四銀(53) * 「△6四銀にまともに▲7六銀△7二飛▲6五歩は△7七角成▲同桂△7五銀▲同銀△同飛▲6六角△7二飛▲1一角成で香得ですが、以下△2二銀で△7七飛成を見て居飛車いいでしょう」と先崎八段。 33 7四歩(75) *部分的な手筋。△7五銀には▲7三歩成△同桂▲7四歩の反撃がある。 * 「▲7四歩はこの一手でしょう。△8四飛に▲7八飛△7四飛▲6五歩なら…飛車角総交換。いい勝負かな」と先崎八段。 34 8四飛(82) *石橋女流王位としては、先手陣が不安定な状態で戦いを起こせたので不満はないところ。 35 3八金(49) *成田女子アマ王位はこのタイミングで自陣に手を入れた。 *反撃するなら▲6五歩が有力だが、陣形がばらばらで強く戦えない。 36 7四飛(84) *△7六歩▲8八角△7五銀と五段目に銀が進出できれば後手十分。 *「石橋さんが一本取りましたね。▲7八飛には△7六歩▲6八角△7五銀。△7五銀の形が抜群です」(先崎八段) 37 7八飛(58) *戦いの起きた筋に飛車を転換させるのは振り飛車の手筋。 * *※▲7八金と上がる方が良かったと先崎八段の指摘があった。以下△7六歩▲8八角△7五銀には▲5九飛と陣形を整える。局面を収めておけば、先手は▲3六歩〜▲3七桂が楽しみになる。 38 7五銀(64) *自然な進軍。 39 6八角(77) 40 7六歩打 *ノータイムで7筋を押さえ込む。次は△6六銀や△6四歩〜△6五歩が厳しい攻めとなる。部分的には石橋女流王位の作戦がうまくいっている。 *14時15分過ぎの局面。消費時間は成田女子アマ王位42分、石橋女流王位34分。ここ数手、成田女子アマ王位の考慮が目立つ。 *「次は△6四歩〜△6五歩で振り飛車は受けが利かない形。その前にどうするか…難しいです。▲3六銀〜▲4五銀では自信ないです」と先崎八段 41 5七角(68) 42 6四歩(63) *進出させた銀の隣を攻めるのが筋。ただし、△8六歩▲同歩△同銀は▲7六飛があるので、この場合は無筋。6筋の歩を伸ばし、△6五歩▲同歩△9九角成を狙うのが正しい。 43 9七香(99) *前手コメントにある△6五歩▲同歩△9九角成のときに香を取られないようにしている。いつでもどこでも応用が利く手筋だ。 *ここで△6五歩▲同歩△9九角成は▲7九金と受ける。 *▲9七香に「後手の形が美しい。△6五歩には▲5五歩が手筋ですが、じっと△5五同歩で…苦しいか」と先崎八段 44 8六歩(85) 45 同 歩(87) 46 6五歩(64) *△7三桂と力をためる手も考えられたが、石橋女流王位は積極的に仕掛けていった。 *▲8六同歩に「△同銀は筋がおかしいから△6五歩▲同歩△9九角成、そこで▲7九金と頑張ります。以下△7三桂は▲7五角△同飛▲7六銀で逆に後手がはまります。だから△4四馬と引き上げて手厚く指しますか」(先崎八段) *▲7九金の形は、故・大山康晴十五世名人が好みそうな受けの形。 47 同 歩(66) 48 9九角成(33) *控え室には片上大輔六段も来訪されているそうだ。 *豪華検討陣といわれている。 49 7九金(69) *桂取りを防いでこの一手。 50 5五歩(54) *14時30分ごろの局面。消費時間は成田女子アマ王位51分、石橋女流王位40分。 *石橋女流王位は着手した後に席を立った。 *▲同歩△同馬▲4六角は△4五馬が銀取りとなる。先に▲4六角が有力だろうか。席に戻った石橋女流王位は棋譜用紙をのぞき込んだ。 *「うーん。これはあまりいい手ではないかも。▲4六角の味がよく△5六歩には▲同銀。以下△6六銀で7筋は受かりませんが、受け流して指します。先手は5六歩がいないほうが6七の銀が楽なのです。▲5五同歩△同馬▲4六角は△4五馬がイヤです」(先崎八段) 51 同 歩(56) *先崎八段の解説ではあまりおすすめの手ではなかったが。 * *※やはり▲4六角のほうが良かったようだ。以下△5六歩▲同銀△6六馬(1)▲9一角成△5六馬▲8一馬△8四飛▲3六馬△8六飛は後手が指せるようだが、△6六馬には(2)▲4五銀と逃げて△7三桂に▲6八金と左金を活用すればまだまだ大変だった。 *石橋女流王位は46手目△6五歩と仕掛けたところで△7三桂と跳ねるのだったかと反省していた。 52 同 馬(99) 53 7五角(57) 54 同 飛(74) 55 6六銀打 *飛角両取りをかけて頑張る。これが▲5五同歩からの狙いだった。 *しかし、「△4五馬もあるし、△7七歩成▲同桂△7六歩も厳しいんですよ」と先崎八段。 56 7七歩成(76) *「両取り逃げるべからず」「駒は取られる直前が一番働いている」という格言通りに攻め続ける。 *成田女子アマ王位は右の中指を口元に当てて考えている。 *「銀を打った瞬間に技をかけられるんですね。成田さんは無事にすんでも、駒得しないのでつらいです。ちょっと差がついちゃいましたね」(先崎八段)。 57 同 桂(89) 58 4五馬(55) *先崎八段の推奨手は△7六歩だったが、歩切れを嫌ったか。 *▲7五銀△6七馬の進展は次に△7六歩▲8五桂△7七歩成を狙える。 59 7五銀(66) 60 6七馬(45) *駒の損得は、飛と角の交換でほぼ五分。 *後手陣は飛車に強いのが強み。 *「先手は銀冠が生きない形。つらいです」と先崎八段。 *先手は▲6一飛〜▲5二歩△同金寄▲5三歩という攻めを狙う感じか。 61 5四歩打 *△7六歩なら▲6四銀と攻め合うつもりだろう。 *後手良しと言われているが、成田女子アマ王位にもまだまだチャンスがある局面だ。 62 4九銀打 *直接先手陣に迫る。 *先崎八段は△4九銀で、「△5七角がきつそうです。▲6四銀と出させて△7八馬▲同金△5八飛が金取りと△3九銀を見ています。以下▲5三歩成△3九銀▲1七玉△1五歩でレールに乗っている感じ」と解説していた。 *△4九銀は放っておけば、△3八銀成▲同銀△5七馬で銀取りと△3九角が厳しい。 *「△4九銀はずいぶん早いチョップですね。早いかもしれませんがリスクも高い」(先崎八段) 63 4八金(38) 64 5七歩打 *石橋女流王位の攻めが厳しくなってきたか。 *成田女子アマ王位の駒が7筋で固まっているのがつらい。後手陣はほとんどの駒がさばけて、要所に配されている。 *「この手が継続手ですか。この順なら△4九銀もなるほどです」(先崎八段) 65 5三歩成(54) *後手陣の形を乱す。 66 同 金(42) *△5三同金に意外そうな声。▲5九歩との交換は先手がだいぶ得、とのこと。 67 8二飛打 *本局初王手は成田女子アマ王位がかけた。 *「飛車打ちは決めないほうがいいかもしれません。たとえば、のちに▲5九歩△7六歩▲6八金△4五馬のときに飛車がせまい」と先崎八段。 68 5二金(53) *15時を過ぎ、両対局者にケーキが出された。 69 5九歩打 *控え室では、66手目△5三同金で△5八歩成▲4二と△同金▲4九金△同と▲3八金△7八馬▲同金△5八飛と進めて先手玉が寄り筋、との見解だったそうだ。 *先手陣も△5八歩成をゆるさなければ簡単には寄らないか。成田女子アマ王位は馬の筋を変えて4九銀をタダ取りできれば理想的だ。先手は▲8一飛成や▲6四歩、▲6八金が狙いとなっている。 *後手の自然な攻めは△7六歩。 70 7六歩打 *15時15分ごろの局面。残り時間は成田17分、石橋33分。 *対局者に出されたケーキは石橋女流王位が栗のモンブラン、成田女子アマ王位がミックスベリーロール。いずれも本棋戦のスポンサーである日本レストランシステムグループ「モーツアルト」のケーキだ。 *成田女子アマ王位は考慮中に残り10分を切った。もう少し時間がほしいが、ないものねだりをしても仕方がない。 *▲6四歩や▲6八金が有力か。 71 6八飛(78) *残り5分程度となった成田女子アマ王位の指し手は▲6八飛。 *これを見た石橋女流王位は息をついた。 *▲6八飛に「野島流ですね」の声。野島さんが推奨していたようだ。 *なお、先崎八段は▲6八金、片上六段は▲6四歩を推奨していた 72 同 馬(67) 73 同 金(79) 74 7七歩成(76) *▲同金は△6八飛が受けにくい。 *攻防手風なのは(1)▲8五角。しかし、△6八と▲5二角成△同金▲同飛成△4二金で攻めにならない。(2)▲4九金△6八とに▲8五角や▲5三銀だろうか。 *▲6八飛は「読んだ手ですね。▲6八金△7八馬▲同金△7七歩成▲4九金△7八と▲5三銀だと△6八飛と打たれる。△6八飛▲同馬△7七歩成▲4九金△6八となら▲5三銀のときに△6八飛のスペースがない」(先崎八段) 75 8五角打 *攻防の角打ち。局面が終盤戦ということもあり、両対局者はケーキやコーヒーに手をつけずに盤上没我で考えている。 *15時29分ごろ、記録係の高崎さんが「石橋女流王位、残り30分です」と告げた。 *「勝負手ですね。▲4九金△6八と▲8五角だと△4二金打と打たれるかもしれない。ただ△6八と▲5二角成△同金▲同飛成△4二金は銀がないからつらいですね」(先崎八段)。局面は後手優勢で推移しているようだ。 *局面が激しくなっており、成田女子アマ王位は7五銀を活用させる余裕がない。 76 6八と(77) *5分ほど読みを入れてから△6八とと金を取った。 77 4九金(48) *すぐ▲5二角成では攻めにならない。 *銀を取って、▲5二角成△同金▲同飛成△4二金に▲4一銀と追撃できるようにした。 78 4二金打 *金銀4枚で固め、「負けませんよ」という手。先崎八段も指摘しており、こういう局面でのプロの第一感は同じなのだろう。 *後手は攻めが分かりやすいので先手の攻めを遅らせればよい。 *控え室では△4二金打に「おおー」とざわめきが起きたそうだ。▲6四歩に△7八飛で後手が残していそう、とのこと。 *成田女子アマ王位はここから1分将棋に入った。石橋女流王位は25分ほど残している。 79 1五歩(16) *1分将棋の成田女子アマ王位、意外なところを攻めた。 80 5八歩成(57) *△同歩は▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲1四歩△同香▲2五銀で▲1四銀〜▲2五香を狙われる。 81 3八金(49) *銀冠再び。 *石橋女流王位、口元を引き締めて天井を見上げた。 *「△5七角▲△5八歩△7五角成でしょうか。端を取り込んでもそれほど厳しくはない。▲5三歩とたたけないので後手陣は堅いです」(先崎八段) 82 3五桂打 *▲3七歩型銀冠の弱点を突く。 *▲3六銀なら囲いが弱体化し、△5七角〜△4八との攻めがより厳しくなる。 83 1四歩(15) *成田女子アマ王位は1筋攻めにかけた。5筋方面は金銀が多く攻め切れそうにない。 84 4九角打 *「遠回りしたけど、どうやらゴールが見えてきたかな」と言われている。 85 3九銀打 86 7七飛打 *▲6六銀には△4七飛成が厳しそうだ。気付きにくい攻め方。 87 1三歩成(14) *「△1三同香▲同香成△同桂▲1四歩に△4七飛成が詰めろなら後手勝ちですが」(先崎八段) 88 2七桂成(35) *石橋女流王位、銀を取ってからコーヒーを飲む。 *その所作からは落ち着きが感じられる。 89 同 玉(28) 90 4七飛成(77) *パチン。石橋女流王位の高い駒音が対局室に響いた。ここで成田女子アマ王位の投了となった。控え室では▲3六桂△3五銀▲2八玉が示されており、「いさぎよいですね」の声もあった。終局時刻は15時48分。消費時間は成田女子アマ王位1時間30分、石橋女流王位1時間10分。石橋女流王位がプロの貫禄を見せ、プレッシャーを跳ね除けての優勝となった。成田女子アマ王位は石橋女流王位の△3三角〜△4二金寄〜△7五歩という変幻自在の指し回しに力を出す前に不利になってしまったか。 *成田女子アマ王位は7筋あたりに手を舞わせて「このあたりがおかしかったですか」と反省の言葉を口にしたのをきっかけに感想戦が始まった。「穴熊にされるのかなと思っていました」と成田女子アマ王位。 91 投了 まで90手で後手の勝ち