# --- Kifu for Windows V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2010/06/13 14:00 終了日時:2010/06/13 16:13 棋戦:第4回日レス杯2回戦 持ち時間:0時間40分 消費時間:135▲40△40 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:渡部愛ツアー女子プロ 後手:成田弥穂アマ 手数----指手-- *渡部愛TJP−成田弥穂アマ * *振り駒の結果、歩が4枚出て渡部TJPの先手と決まった。対局開始は14時。 * *※は感想戦での検討の一部。 *(棋譜・コメント入力=蝶結) 1 7六歩(77) 2 5四歩(53) 3 2六歩(27) *渡部愛ツアー女子プロは1993年(平成5年)6月26日生まれ。北海道帯広市出身。血液型はB型。得意戦法は振り飛車、目標は女流タイトル獲得。アマ時代の主な戦績に第40期女流アマ名人戦準優勝、第46期赤旗名人戦全国大会予選通過、第1回女子アマ王位戦第3位などがある。 4 3四歩(33) *成田弥穂アマは現在宮城県在住の高校生。今回は前回準優勝の成績により出場となる。 5 2五歩(26) 6 5五歩(54) 7 4八銀(39) 8 3三角(22) 9 6八玉(59) 10 5二飛(82) 11 3六歩(37) 12 4二銀(31) 13 3七銀(48) 14 5三銀(42) 15 4六銀(37) 16 4四銀(53) 17 5八金(49) 18 6二玉(51) 19 7八玉(68) 20 7二玉(62) 21 7七角(88) 22 8二玉(72) 23 6六歩(67) 24 7二銀(71) 25 6七金(58) 26 6四歩(63) *成田アマは序盤からほとんど駒音を立てずそっと盤の上に置く。振り返ってみても、彼女が対局中もそれ以外でも慌てる場面を見たことがない。何と言う落ち着き。 27 8八玉(78) *今日はどちらも制服姿で白の袖なしセーターを羽織り、シャツは腕まくり。渡部TJPのシャツには学校名がローマ字で小さくプリントされている。よく考えればふたりとも北国育ち。ちょっとのクーラーではびくともしない。 28 5一金(41) *渡部TJPはおなじみの紺色のハイソ。成田アマは白のソックスでともに清潔感十分。どこに出しても恥ずかしくない乙女のまっすぐさが、そこにはある。 29 7八金(69) 30 6二金(51) 31 9八香(99) 32 6三金(62) 33 9九玉(88) 34 7四歩(73) 35 8八銀(79) *これで穴熊が完成。このお菓子の家は、なかなか立派でそう簡単には崩れない。 36 9四歩(93) 37 5九角(77) 38 9五歩(94) *そちらが穴熊なら、こちらは堂々とこの端歩を伸ばしてプレッシャーをかける。しっかりとした味付けは、硬質なザッハトルテを思わせる。 39 2六角(59) *渡部TJPの手にはピンク&ブルーのハンカチがあり、ピンクの部分にはうさぎのデザインが顔をのぞかせている。慎重に、でもいざとなったらピョンピョン跳ねて草原を駆け抜けようと夢見ている。 40 5一角(33) *角には角で。ショートケーキの上にはイチゴ。常道をしっかり走って間違えることはない。 41 7九金(78) *長考の末、じっと金を引く。あらかじめ低く構えて、後に備える。 *残り時間は渡部19分、成田29分。 42 1四歩(13) 43 1六歩(17) 44 1二香(11) *攻めるなら攻めてみなさい、というどっしりとした態度。対局前、「少しやせましたか?」の質問に軽く笑みを浮かべているほど細身の成田アマだが、将棋は相変わらず線が太く安定感抜群だ。 45 7八飛(28) 46 8四角(51) 47 3七桂(29) *最近「書道ガールズ」や「ちはやふる」など高校生の女子の部活動をテーマにした映画やマンガなどが流行している。目の前のふたりは、全国に散らばる将棋ガールズのまさにトップランナー。その目は今の青春の日々を、そして遠く未来を見つめている。 48 3三桂(21) *この将棋はどこかで手詰まりになる展開となることが多い。どちらかが打開を迫られるに違いない。 49 3五歩(36) *ここで弱い桂先に狙いをつける自然な手。先ほどから渡部TJPは時折前後に軽く揺れながら盤面を見詰める。これも読みに耽る時の彼女のポーズ。 50 同 歩(34) *対して成田アマはほとんど動かず読みを入れている。渡部TJPが苺の乗ったレアチーズケーキなら、成田アマはしっとりのベイクドチーズケーキだろうか。 51 同 銀(46) 52 同 銀(44) 53 同 角(26) 54 5四飛(52) *手に乗って自然に飛車浮き。彼女のつくるメレンゲはキメが細かく、ムダな甘さがないのが味の秘訣。 * * *残り時間は渡部15分、成田19分。 55 4六歩(47) *そろそろのどが渇いてきた。ダージリンでそっと口をうるおして、後半に備える。 56 3四飛(54) 57 3六歩打 *この歩がしっかりとした受けで渡部TJPの成長の跡がうかがえる。バナナチョコモンブランは、繊細な中にもしっかりと響く味わいがある。 58 4四銀打 59 同 角(35) 60 同 飛(34) 61 4五歩(46) 62 3四飛(44) *成田アマの中飛車は、鍛えの入った職人気質を感じる。モーツアルトのプリンは、ジャージー牛乳と地卵を使ったこだわりの味。 63 3五銀打 *日本レストランシステム株式会社のモーツアルトのケーキはこちら * *http://www.cafe-cake-mozart.com/shopmenu/index.html 64 5四飛(34) 65 4四歩(45) 66 6五歩(64) 67 7五歩(76) *ここで渡部TJPは残り時間5分を切った。 68 同 角(84) 69 4三歩成(44) 70 6六歩(65) 71 6八金(67) *渡部TJPはハンカチを口元にあて押さえ込む得意のポーズが見られる。いたいけな表情とは裏腹に、ここからの彼女は細い腕から力強い手を繰り出す。全国のファンは目が離せない、席から離れられない。 72 6四飛(54) 73 6五歩打 *この手から渡部TJPは1手60秒の秒読みに。 74 同 飛(64) *前期トーナメントでも成田アマは時間を目いっぱい使うことがなく、少し余裕を持って指している場面が多かった。普段のペースを貫くからこそできる芸当なのだろう。残り時間は6分。 75 7六銀打 76 6四飛(65) 77 4四銀(35) *渡部TJPの前後の揺れが大きくなってきた。読みが深まり、脳内エンジンはフル回転。打った銀2枚が相手の大駒の動きを止め、いい働きを見せている。 78 4九角打 *何度か駒台に手をやった後、静かに据え付ける。二枚角のミルフィーユは、斜めのラインで全体に味が染みわたる。 79 5五銀(44) 80 3四飛(64) 81 6四歩打 82 7三金(63) *ここから両者秒読みとなった。 83 5三と(43) *※この付近はと金ができて駒損も回復し、先手が盛り返したのではないか、と言われた。 84 6四角(75) *隣では大庭−新藤戦が終局したようだ。新藤アマは終局後「ありがとうございました」という挨拶を欠かさない。 85 同 銀(55) 86 同 飛(34) 87 5五角打 88 3四飛(64) *ここ数手は銀と飛角を巡る攻防が続いている。この飛車は何度横に往復したことだろう。 89 6五銀(76) 90 9二玉(82) *角のラインを避けてじっと。抹茶より渋い。 91 7四銀(65) 92 7七歩打 93 7三銀成(74) 94 同 銀(72) *成田アマは時折机の上でトントン、と指で軽く叩いてリズムをとる。彼女なりの読みの呼吸だろう。 95 7七金(68) 96 6四銀打 97 同 角(55) 98 同 飛(34) *対局場はクーラーから涼しい風が吹き込んでいるが、対局中の両者は頬がうっすら紅潮している。この将棋の熱気を感じる。 99 4八飛(78) *角に当てて催促。息の長い我慢比べだ。 100 8五角成(49) 101 4二飛成(48) 102 8二銀打 103 6五歩打 104 同 飛(64) 105 7六銀打 *おびき寄せた甲斐があった。後手もうかうかしていられない。 106 7八歩打 *ここで悩ましい叩き。取るのは相手の注文に乗りそうだが… 107 6九金(79) 108 6七歩成(66) 109 6五銀(76) 110 7七と(67) 111 同 桂(89) 112 6七馬(85) 113 7四歩打 114 6八歩打 115 8九金打 *渡部TJPのチェスクロックの叩く音が大きくなってきた。そういえば彼女の「うーん」という小さなつぶやきは今日はまったく見られない。これが冷静な受けだったか。 116 6九歩成(68) 117 7三歩成(74) *※この手で渡部TJPは後手玉が詰みでは、と局中は読んでいた。が、どうもわずかに足りないようだ。 118 同 桂(81) 119 6三と(53) 120 6二歩打 121 7三と(63) 122 同 銀(82) *すでに中倉宏−鈴木戦も終局し、残っているのはこの対局だけ。時刻は16時を過ぎた。 123 8五桂打 124 8二金打 125 9三銀打 *一気に決めに行く。穴熊の堅さを存分に生かして腕をふるう。 126 同 金(82) 127 7三桂成(85) 128 7二金打 *ここに使うのは惜しい、などど言っていられない。4二の龍を働かせては終了だ。 129 4一飛打 130 5一歩打 131 同 飛成(41) *この駒音はひときわ大きく時間もほとんど使わなかった。あとはセットのジュースを飲み干すだけだ。 132 同 金(61) 133 8一銀打 134 同 玉(92) 135 5一龍(42) *ここで成田アマが「負けました」と投了を告げた。終局時間は16時13分。以下は△7一飛に▲7二成桂△同玉▲7三金以下一手一手となる。 * *勝った渡部TJPは準々決勝で中井広恵六段−蛸島彰子五段戦の勝者と対戦となります。 * *現在は石橋四段も加わり、78手目△4九角で△8四角と逃げて▲5五銀△3四飛以下の転回を掘り下げ、後手が優勢だがさらに良くするのは難しく、まだまだ大変、という感想が繰り広げられている。 136 投了 まで135手で先手の勝ち