# --- Kifu for Windows V6.34 棋譜ファイル --- 開始日時:2010/08/08 10:45 終了日時:2010/08/08 12:51 棋戦:第4回日レス杯準々決勝 持ち時間:0時間40分 消費時間:158▲40△40 場所:新宿・京王プラザホテル 手合割:平手   先手:船戸陽子二段 後手:中倉彰子初段 手数----指手-- *船戸陽子二段−中倉彰子初段 * * *振り駒の結果歩が3枚出て船戸二段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=蝶結) 1 7六歩(77) *「雲はわき、光あふれて。日レス杯はいよいよ本日準々決勝を迎えます。決戦の舞台は東京都新宿区「京王プラザホテル」。どれも好試合必至の各カードを、最後までごゆっくりお楽しみください。 2 3四歩(33) 3 2六歩(27) *対局者のプロフィール紹介です。 *船戸陽子二段は1974年4月23日、東京都渋谷区出身。高柳敏夫名誉九段門下。LPSA番号 18。居飛車・振飛車何でも指しこなす早見えの攻め将棋。2008年7月にLPSAに入会。翌8月の1dayトーナメント「マンデーカップ」で優勝するなど活躍を見せている。教室「マンデーレッスン」の講師を第1期から務める。また日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を持ち、唯一のソムリエ棋士と言えるでしょう。1988年3月、3級で女流棋士に。1991年3月11日初段、2000年4月1日に二段に昇段。 4 4四歩(43) *中倉彰子初段は1977年3月2日生まれ。東京都府中市出身。堀口弘治七段門下。LPSA番号 11。6歳の頃将棋を始め、1991・92年に女流アマ名人戦で連続優勝。居飛車・振り飛車ともに穴熊を得意とする。イベント司会などで活躍し、自身のホームページ「positive-girls.net」の名が表す通り、"ポジティブ"が合言葉。妹の中倉宏美女流初段とともに、姉妹棋士として映画「とらばいゆ」(2002年大谷健太郎監督)のモデルとなった。座右の銘は「苦しいときは進歩しているとき」。趣味はテニス、絵画鑑賞、英会話。夫は日本将棋連盟棋士・中座真七段。 5 4八銀(39) 6 4二飛(82) 7 6八玉(59) *二人は抽選により2回戦からの登場。船戸二段は松尾香織初段を、中倉彰子初段は林葉直子さんを破っての準々決勝進出です。 8 6二玉(51) 9 7八玉(68) 10 7二玉(62) 11 5八金(49) *【1st inning】 *穴熊が得意な両者。序盤は相穴熊模様に進んでいます。 12 8二玉(72) *中倉初段は先日の7/28に行われた林葉直子さんとの一戦を終えてのコメントをご自身のブログにて記されていますのでご紹介します。 *「今は、なんとか勝つことができ、ホッとしています。脇役とは十分承知していましたが、こんなに注目された中で対局できることは、今までにないことなので、精一杯対局しようと思っていました。(中略)林葉さんは、ブランクがあり、実戦不足だったと思いますが、やはり元タイトル保持者の実力をお持ちの方、大局観など、強さを感じました。今回の対局は、とても良い経験なりました。(略)内容は、まだまだ反省点が多いですが、今回の経験を励みに、また頑張っていきたいと思います! * *Positive-girls あっこ&ひろみ オフィシャルブログ(「日レスインビテーションカップ」7/29付) *http://pgirls.exblog.jp/ 13 3六歩(37) *対戦前の船戸二段のコメントです。 *『最近年のせいか涙を流すこと多くなりました(笑)どうせならいい結果で涙を流したいと思います』 14 3二銀(31) 15 4六歩(47) *この手で銀出を匂わせ、相手の穴熊狙いにけん制球を投じます。 16 5二金(41) 17 4七銀(48) 18 7二銀(71) 19 5六銀(47) 20 4三銀(32) 21 4八飛(28) *【2nd inning】 *船戸二段の作戦は右四間飛車でした。 * * *両対局者に入場曲にするなら、とインタビューしましたのでここでご紹介します。 *船戸二段は具体的な曲名は明示されなかったが、以前はLady Gagaをよく聴いていたそう。楽曲はもちろん、ファッションも流行の先端をいくあたりに共通感覚を覚えます。また対局前に必ず聴く曲を何曲か自分の音楽プレーヤーに分けて入れてあるとのこと。 *※入場テーマとしてはワーグナーの「ワルキューレの騎行」を選択。なるほどこちらも勇ましいですね。 * *Lady Gaga「Bad Romance」 http://www.youtube.com/watch?v=sLBykY_Z6q8 22 9四歩(93) *中倉彰子初段は「君の瞳に恋してる(can't take my eyes off you)」を選曲。この曲を聴くと気分が高まるそうだ。いろいろなアーチストがカバーしているが、Boys Town Gangのバージョンが有名でしょう。 * *Boys Town Gang「can't take my eyes off you」 *http://www.youtube.com/watch?v=GqUCutugP0E 23 7七角(88) 24 6四歩(63) 25 8八玉(78) 26 6三金(52) 27 9八香(99) 28 3二飛(42) 29 4五歩(46) *解説の木村八段、ここまでいかがでしょう。 *木村八段「両者積極的ですね。囲いが完成する前に戦いを起こしてしまおうということです」 30 3五歩(34) 31 4四歩(45) 32 同 銀(43) 33 4五歩打 *船戸二段は朝食に、すっかり定着した朝カレーを選択されたそうです。甲子園を沸かせた楽天の田中将大投手のCMでもおなじみですね。栄養補給は十分のようです。 34 3六歩(35) *中倉彰子初段は、近くのカフェでパンと紅茶の軽食を摂られたとのこと。また普段はパスタが好物で『安心堂の「トマトパスタソース」がお気に入りです!』とプッシュされていました。 * *安心堂HPより *http://www.anshindo-d.jp/item_search/?keyword=pasta_tomato_goemon&mt4_goemon 35 4四歩(45) 36 3七歩成(36) *中倉彰子初段は鮮やかなブルーのインナーにスラっとしたパンツスタイル。白の薄手のニットも用意してクーラー対策も万全です。若々しい印象でとても二児の母には見えません。近所の公園ではきっと輝いて見えることでしょう。 37 4五飛(48) 38 4八と(37) 39 同 飛(45) 40 3九飛成(32) *ランナーを一気に走らせぶつけました。これはもうあとには引けません。 41 7八銀(79) 42 2九龍(39) 43 4六飛(48) 44 3五歩打 *木村八段「辛抱しました。3六にまわられるのがいやだったんですね」 45 4五飛(46) *浮きましたね。どうですか? *木村八段「それでも3筋に回りたいということです」 46 8四桂打 47 8五銀打 *船戸二段は白地にパープルのリング模様が目にも鮮やかなワンピース。下は薄緑のバルーンタイプのミニで今日もアダルトな雰囲気を感じさせます。どちらのユニフォームも夏らしく、可憐ですね。 48 1九龍(29) *対局場は大盤解説会場とは分けられた広い洋室。壁の書棚にはマルカム・カウリーの文学論や海外の辞書が並んで部屋をよりファッショナブルに彩っています。 49 3五飛(45) 50 3三角(22) *木村八段「角交換から▲同玉〜▲3二飛成はきついんです。▲4三歩成から先手のと金の攻めが止まりません。こう受けることによって、同じ進行でものちのち△6一香と受けることができます」 51 3九歩打 *この底歩は投げおろすかのような力強いフォームでした。これで受け切り、と見ているのでしょうか。 52 9三桂(81) 53 8四銀(85) 54 同 歩(83) 55 4三歩成(44) 56 7七角成(33) 57 同 桂(89) 58 7四香打 59 6八桂打 60 3三歩打 61 4二角打 62 3四銀打 63 3八飛(35) 64 4三銀(34) 65 3一角成(42) 66 8五桂(93) *互いにハイヒールを脱ぎ捨てて走り込みます。グラウンドにはやっぱりスパイクです。 67 同 桂(77) 68 同 歩(84) 69 4八飛(38) 70 4四角打 *意表を突く角打ちです。直接の王手より、危ない3筋・5筋を受けています。このあたりは手堅いです。 71 6六桂打 72 3九龍(19) 73 2一馬(31) 74 8六歩(85) 75 4九歩打 *うーん、とため息ひとつ。一瞬駒台に手をやるも迷う手つきも見られ、緊迫の場面です。 76 8七歩成(86) 77 同 銀(78) 78 8六歩打 *叩きの連続は歩を多く持っているから出来る手筋ですね。 79 同 銀(87) 80 8七歩打 *一手一手指されるごとにうなづく船戸二段。盤面に覆いかぶさるのごとくの前傾姿勢で、髪が顔を隠し観戦席からも表情がうかがえないほどです。集中のバッティングフォームといえそうです。 81 7九玉(88) *いつの間にか進んで8回表。終盤の攻防です。 82 4八龍(39) 83 同 歩(49) 84 9九飛打 *眉をひそめ険しい表情で飛車を打ち込みます。対局前のインタビューの柔和な感じはどこにもなく、鬼の形相といっても過言ではありません。 85 8九歩打 86 9八飛成(99) *この手から中倉初段は秒読みに入ります。船戸二段は残り18分と時間面では大量リードを保っています。ここは腰を落として考えそうですね。 87 4三馬(21) 88 8三香打 89 8五桂打 *美濃囲いで7三の急所は守備のかなめ、そこにしつこく嫌味をつけていくのがセオリー通りとは言え、厳しい攻撃です。 90 同 香(83) 91 8四飛打 *このピンチランナーの香車は、戻れないのが痛いです!狙いにはまったでしょうか。 92 8三桂打 93 8五飛(84) 94 9九龍(98) 95 7七銀(86) *守備陣を下げ、いつでもバックホームできる態勢に。堅い策です。 96 6五桂打 97 同 銀(56) *指し手とは関係ありませんが、考慮中に口元に人差し指を軽くかみしめる船戸二段に、つい見とれてしまいました。対局者の表情を、終局まで出来る限りお伝えできればと思います。 98 同 歩(64) *6六の地点を一気に弱体化させようと、攻撃の手をゆるめません。延長戦は確実な様相です。 99 4四馬(43) 100 8八銀打 101 同 銀(77) 102 同 歩成(87) 103 同 飛(85) *木村八段「ここで▲7七銀は先手玉に迫っているようですが…▲7四桂と跳ねて馬筋が利いてくるので、先手がよさそうです」 104 7七銀打 105 7四桂(66) 106 同 金(63) 107 7七馬(44) *解説の通りに進みましたね。これは後手がつらい展開になってきたでしょうか。 108 9七龍(99) 109 8七香打 *この高速の二枚看板が、厚そうです。まさに勝利の方程式。 110 8五桂打 111 3三馬(77) *回は飛んでもう11回。スタミナには自信ありの二人だけに、まだまだ予断を許さない状況です。 112 8六歩打 113 9八歩打 *相手のランナーを刺してしまえば、もう勝ったも同然。無理にホームに滑り込んだりはしません。 114 8七龍(97) 115 7八香打 116 7七香打 117 1一馬(33) *うーーん…と深くため息をつきながら、馬も深く進入です。駒得をさらに重ねて必勝態勢を築きに行きます。 118 9五桂(83) *この着手は時間をめいっぱい使って。チェスクロックを力強く叩き、まだ闘志は衰えていません。「性格も将棋も攻めっ気が強いでしょうか」とは中倉宏美二段のアルプスレポートでした。 119 2二角打 120 8八龍(87) 121 同 歩(89) 122 9九飛打 *もう何度一段飛車で王手をしたでしょうか。食らいついて離さない終盤の戦い方が、中倉彰子初段の持ち味です。 123 8九桂打 124 8七歩成(86) *木村八段「同歩はちょっと気持ち悪いんです。△9八飛車成が詰めろになっています。厳密には船戸二段よしだと思いますが、正確な判断を要求される局面で難解です」 125 同 歩(88) 126 同 桂成(95) 127 7七角成(22) 128 同 桂成(85) 129 同 馬(11) *ここから両者秒読みです。いよいよ緊迫の場面、CMなしでお伝えしています。 130 8八歩打 131 8三歩打 *ここまでガチガチに引き付けてから、切り返しのスイング。応対が難しいです。 132 同 玉(82) *かといって逃げるわけにはいきません。 133 8四歩打 134 同 金(74) 135 8八馬(77) 136 同 成桂(87) 137 同 玉(79) *おっと、ノータイムで取ったものの時計を押し忘れる小さなミス。わずかですが相手に考慮時間を与えてしまいました。 138 8七歩打 139 7七玉(88) 140 8九飛成(99) 141 7五桂打 *この二人の対戦は、いつも最後に互いの玉が8筋付近で吊り上げ合い、見合う格好になる印象です。 142 8二玉(83) 143 8三歩打 144 同 銀(72) 145 3二飛打 *木村八段「ここは桂合いで大丈夫です」 146 5二桂打 147 8三桂成(75) 148 同 金(84) *△9五角▲8六歩△8五桂までの詰めろになっています。いよいよラストが見えてきたでしょうか。 149 7五歩(76) *脱出を図り最後まで生きようと懸命の頑張りです。 150 8八角打 151 7六玉(77) 152 6四桂打 *すでに延長15回。▲6五玉には△5四角の王手飛車が待っています。 153 8五玉(76) 154 9八龍(89) *四方を囲んで逃げ道をふさぎます。船戸玉、危うしです。 155 9六歩打 156 9七角成(88) *これで先手玉は受けなしです。 157 3六飛成(32) 158 7八龍(98) *ああ栄冠は中倉に輝く。この手を見て船戸二段が静かに投了を告げました。終局時間は12時51分。▲7一銀と王手をかけても足らず、先手は△8四香の一手詰み。『切らしたと思ったんですが…』とは船戸二段の第一声でした。 * *勝った中倉彰子初段は準決勝で石橋四段と対戦します。 * *局後大盤解説でのやりとり。 *中倉彰子初段「石橋さんが相手ですか…どうやったら勝てるでしょうか」 *木村八段「さっき石橋さんは『今日は詰みが見えない』と嘆いていたので(笑)、詰みかどうかわからない局面に持ち込めばいいと思います」 *中倉「いいアドバイスをもらいました!」 * *午後の準決勝2局もどうぞお楽しみください。 159 投了 まで158手で後手の勝ち