# --- Kifu for Windows (Pro) V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2009/12/15 10:00 終了日時:2009/12/15 11:38 棋戦:第2期天河戦予選 持ち時間:0時間40分 消費時間:95▲40△40 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:中倉彰子初段 後手:鹿野圭生初段 手数----指手-- *本局は第2期天河戦予選A級ブロック1回戦の中倉彰子初段−鹿野圭生初段戦。持ち時間は各40分、使い切ると1手60秒の秒読み。 *9時53分、先輩の鹿野初段が駒袋を開け、王将を5一に据えた。ほかの対局も駒を並べ始め、対局場に駒音が響き渡る。二人とも大橋流で駒を並べた。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *10時、対局開始。中倉初段はすぐに角道を開けた。 2 3四歩(33) *二人は2007年4月に倉敷藤花戦で対戦し、中倉初段が勝っている。 3 2六歩(27) *中倉初段は四間飛車穴熊を得意にしているが、相振り飛車は指さない。 4 4四歩(43) *鹿野圭生初段(かの・たまお)1961年11月1日、香川県高松市出身。LPSA番号8 *松山商科大学(現松山大学)在学中に学生女流棋界で活躍した後、84年に育成会入会。87年に女流3級、92年12月、女流初段。得意戦法は四間飛車。関西女流棋界の「姉御」的存在で親しまれている。座右の銘は「乾坤一擲(けんこんいってき)」。趣味は書道、テニス。 5 4八銀(39) *中倉彰子(なかくら・あきこ)初段は1977年3月2日生まれ。東京都府中市出身。LPSA番号 11 *6歳の頃将棋を始め、91・92年に女流アマ名人戦で連続優勝。94年4月に女流2級。2002年4月に女流初段。居飛車・振り飛車ともに穴熊を得意とする。妹の中倉宏美女流初段とともに、姉妹棋士として映画「とらばいゆ(2002年大谷健太郎監督)のモデルとなった。座右の銘は「苦しいときは進歩しているとき」。趣味はテニス、絵画鑑賞、英会話。夫は日本将棋連盟棋士・中座真七段。 6 4二飛(82) *鹿野初段は得意の四間飛車に構えた。 7 6八玉(59) 8 9四歩(93) 9 7八玉(68) 10 6二玉(51) *鹿野初段は藤井システムを指さないタイプの四間飛車党だ。 11 5八金(49) 12 7二銀(71) *現在主流の駒組み。△7二玉〜△8二玉〜△7二銀として美濃囲いに組む将棋は少なくなった。 13 5六歩(57) 14 7一玉(62) 15 5七銀(48) 16 3二銀(31) 17 7七角(88) *▲7七角は持久戦のサイン。 *▲8八玉〜▲9八香の居飛車穴熊を目指している。 18 4三銀(32) 19 8八玉(78) 20 5二金(41) *2分ほど考えて金を上げた。美濃囲いが完成。この後、どのような攻めの形を作るのか。 21 9八香(99) *中倉初段は右手をほほに当てて考えている。 22 6四歩(63) 23 2五歩(26) 24 3三角(22) 25 9九玉(88) *中倉初段は得意の穴熊へ。 *消費時間は中倉6分、鹿野5分。 26 7四歩(73) *鹿野初段は左手でピシっと歩を突き出した。 *左利きの振り飛車党は男性棋士にも多い。 27 8八銀(79) 28 7三桂(81) *大事な手。▲6六歩を突かせることで、先手の角道を止めて△4五歩と突きやすくする。 29 6六歩(67) 30 6三金(52) 31 3六歩(37) *3七は駒の通り道。▲3七桂と跳ねるだけでなく、▲5九角〜▲2六角(▲3七角)の活用を見ている。 32 8二玉(71) *10時15分の局面。消費時間は中倉10分、鹿野5分。 *ここ数手、中倉初段は少考を繰り返している。 33 7九金(69) *1分30秒ほど考えて▲7九金と寄せた。▲7八金〜▲6七金右として、▲6八銀から「松尾流穴熊」を目指す指し方もあった。 34 5四歩(53) 35 5九角(77) 36 4五歩(44) 37 2六角(59) *狙いの角の転換。 38 5五歩(54) *軽快な突っかけ。狙いは△5四銀型を作ることにある。 39 同 歩(56) 40 同 角(33) 41 3七桂(29) *鹿野初段が「んーーっ」という感じで、盤面に顔を近づけた。 *後手からは△5六歩▲同銀△6六角という手が見えるが、▲2九飛でまだ大したことがなさそうだ。自然な手は△5四銀。 *鹿野初段は5分近く考え、お茶のペットボトルを開けた。 42 5六歩打 *鹿野初段は9分以上考えて決断の一着。 *▲同銀△6六角▲2九飛でどのような継続の攻めを用意しているのだろうか。 43 同 銀(57) 44 6六角(55) *10時30分。消費時間は中倉14分、鹿野16分。 45 2九飛(28) *△3九角成を受けただけでなく、▲5五歩〜▲6九飛と角を攻める狙いもある。 46 1四歩(13) 47 5五歩打 *中倉初段、7分以上考えて▲5五歩と押さえる。▲6九飛と回ったときに△2二角と引けないようにしている。 48 4四銀(43) *△5五銀を狙って▲6九飛に備える。 *互いに玉形はしっかりしているので、攻め駒のさばきが形勢を左右しそうだ。 49 6九飛(29) *▲2四歩△同歩▲4四角は△同飛▲2四飛に△1三角が痛打。 50 8四角(66) *10時50分ごろの局面。残り時間は中倉10分、鹿野19分。 *中盤の難所とあって、互いに長考が増えてきた。 *中倉初段は△3五歩▲同歩△3六歩の攻めを見せられてやや忙しい。 51 4六歩(47) *中倉初段は再び、5分以上の長考をして▲4六歩と突っかける。 52 同 歩(45) *▲4五歩と押さえてから▲4九飛か、単に▲4九飛か。 *鹿野初段は扇子を左ひざに突き立てるようにして考えている。 53 4九飛(69) *5八金が浮いているが、戦いになれば穴熊に利ありと見ている。 54 3三桂(21) *後手の遊び駒は2一桂。それを活用するのは自然な感覚だ。▲4六飛なら△4五歩と押さえられる。 *左桂のさばきは振り飛車の命。 55 4六飛(49) 56 4五歩打 57 4九飛(46) *じっくりした展開となった。 58 9五歩(94) *損のない手。△6五桂も魅力だが、そう焦る必要もない。 *先手は▲6八金寄としたいが、△6五桂も見えているので指しにくい手だ。5八金を動かすなら△6五桂に▲6六歩を用意する▲6七金だろう。 *ここで中倉初段が1手60秒の秒読みに入った。鹿野初段は残り12分強。 *ほかの対局では終盤戦に入っているところもあるが、本局は本格的な戦いが起こっていない。 59 1六歩(17) *攻めるなら▲4三歩△同飛▲4五桂△同桂▲同銀△同銀▲4四歩もあった。 * *※ただ、上記の攻めも▲4四歩に△4一飛▲4五飛△9六歩から端攻めがうるさい。後手が十分指せていたようだ。 60 4一飛(42) *互いに少しでも陣形を整えてから攻めようとしている。 61 2九飛(49) *▲2四歩から▲1七角とする狙い。 *ともに険しい表情で盤面を見据える。 62 4六歩(45) *▲4九飛のスキを突く。 *△4七歩成▲同銀△5五銀の狙いがある。 63 6五歩打 *鹿野初段、残り10分を切った。 *中倉初段は6筋にアヤを突ける。△同桂には▲同銀△同歩▲6四歩△同金▲5三桂を狙っている。 *互いに相手の指し手を悪手にさせようとしているのが面白い。 64 同 歩(64) *というわけで鹿野初段の応手は△6五同歩だった。 65 2四歩(25) *▲6四歩△同金▲4四角△同飛▲5三銀の前に味付け。 *△同歩と取ってくれれば▲2四飛とさばきやすくなる。 66 4七歩成(46) *駒音鋭く歩を成り捨てる。 *▲2四歩は相手にしない方針。 67 同 金(58) 68 4六歩打 *どう応じても8四角を成り込むことができる。 69 6四歩打 70 6二金(63) *ノータイムで逃げる。 *△同金は▲5三桂の筋を狙われてしまう。 71 4六金(47) 72 5七角成(84) *▲4七金には△2四馬とする手もありそうだ。 73 4七歩打 *そこで、中倉初段は▲4七歩と支える。 *相手の思惑通りには指せないつもりだ。 74 6六歩(65) *△4五歩では手ぬるいと見た。△6七歩成と、と金ができれば大きい。 * *※馬を作ってポイントを稼いだので△2四歩と手を戻すのもあった。以下▲4四角△同飛▲2四飛なら△6六歩▲6三銀△6七歩成と攻め合う。 75 2三歩成(24) 76 6七歩成(66) *▲2三歩成に首をかしげた鹿野初段だったが、ノータイムで歩を成り込んだ。 77 3三と(23) *激しい攻め合い。 *いったん▲6七同銀とするのもあった。 78 6八と(67) *急所に手がついた。 *振り飛車が指せそうに見えるが、穴熊としてはここが腕の見せどころ。 79 8六桂打 80 7九と(68) *▲同銀には△6六馬▲8八銀△7八金が詰めろとなる。 *11時24分、鹿野初段の残り時間は6分。 81 7四桂(86) *本局初王手。 82 9三玉(82) *玉が囲いからはみ出したが、先手は駒不足なのでまだ大丈夫だ。 *ただ、△9二玉とどちらが良かったかは難しいところだ。 83 7九飛(29) *▲7九銀ではすぐに受けがなくなる。使えていない駒を受けに活用させる。 84 6八金打 *俗手で迫る。 85 7七飛(79) 86 6六馬(57) *△8五桂で飛車が取れる。 87 4四角(26) *時間に追われて角を切った。 *▲6二桂成△同金▲6七金も考えられたが、中倉初段は攻めに望みを託したようだ。 88 同 飛(41) 89 8二銀打 *後手玉も気持ち悪い形になってきた。 90 8四玉(93) *先手にも勝負手の残されていそうな局面。 91 6二桂成(74) *中倉初段は高い音でチェスクロックをたたいた。 92 8五桂(73) *先手玉は絶対に詰まないので不安もあるが、強く踏み込んだ。 93 8六歩(87) *この手があった。△7七桂成は▲8五金で詰み。 *鹿野初段軽視していたか。左手を頭に当てる。 *鹿野初段はここから1手60秒の秒読み。 94 7七馬(66) 95 7五金打 *鹿野初段は▲7五金を見てすぐにはっきりした声で「負けました」と投了を告げた。以下△9四玉▲8五金までの詰みとなる。 *終局時刻は11時38分。消費時間はともに40分(チェスクロック使用)。 *中倉初段が勝負手を連発し、穴熊の遠さを生かして勝利した。 96 投了 まで95手で先手の勝ち