毎月、LPSA所属の女流棋士のインタビューをお届けする
「Mint(ミント)」(Monthly Interview "Natural Talk" )
第1回である10月は「第18期女流王位戦・5番勝負」で
清水市代女流王位に挑戦中の石橋幸緒四段です。
-女流王位リーグ開幕前はどんな心境でしたか?
「時期的(新法人設立準備時)にバタバタしていたので、特に準備などは出来ずに、いきなり始まった感じでした。でも女流王位戦は持ち時間が3時間なので、しっかり考えることができるので大丈夫かなとは思っていました。」
-開幕戦(本田戦)で敗れてしまいました
「序盤で失敗して、そのまま押し切られた感じの将棋でした。不調という言葉は使いたくないのですが、前期は大きな連敗をするなど成績が良くなかったのですが、何かまだ歯車がかみ合っていないような感じで、ちょっと不安に思いました。」
-対局間隔も短く、次の第2戦を迎えましたが
「そうですね。もう2敗したら優勝どころではないですし、残りの目標が残留になってしまいます。ただ、女流名人位リーグも始まっていて、そちらではいい将棋を指せたので、気持ち的にはいい感じにはなっていました。」
-そこから3連勝。最終戦で中井さんとの対戦でしたが
「リーグ表を見て、中井さんとの対戦が最終戦というのがモチベーションを高めました。組み合わせが決まった時に『勝った方が優勝とできるようにしたいね』と言っていたので、この組み合わせ順は大きかったですね。」
・想定外の展開、松尾さんに感謝 (挑戦者決定戦)
-優勝して矢内女流名人との挑戦者決定戦となりました
「自分の組が混戦で5人プレーオフの可能性もあったので、単独優勝をあまり想定していないので決定戦まではしばらくあるな、という感じでした。」
-挑戦者決定戦を振り返ってどうでしたか
「3日前の日レス杯準決勝の松尾さんとの将棋と先後は違いますが、同じ形になり、驚きました。研究していた局面などが実戦に現れることはありますが、3日前に指した将棋と同じ形になるのは初めてですね。時間も使わずに進められましたのは大きかったですね。矢内さんは時間を使っていて、千日手模様でも回避してこちらも打開できました。松尾さんに感謝ですね(笑)。」

・スタートダッシュを決めたい (5番勝負)
-5番勝負開幕が迫っていますが、現在の調子はいかがですか
「昨日(9/26)、王位戦予選で金井四段と指したのですが、完敗でした。でもプロの技を吸収できて勉強になりました。また5番勝負と同じ4時間の将棋を指せたのも良かったですね。」
-昨年に続いて清水さんとの対戦ですが、どんな印象ですか。
「調子がいいというか。いつもながら安定していますね。」
-ここ数ヶ月、女流王将を獲得、さらに倉敷藤花戦も挑戦者になりました。
「女流王将戦の第3局目を勝ってそこから調子がぐっと上がった感じがしますね。」
-昨年の5番勝負以来の対戦ですが
「清水さんはシーズンを通しての戦い方が非常にうまいんです。去年も1局1局を見ると、いい将棋なのですが、トータルで見ると一歩足りないという事になってるんです。」
-今回もそこがポイントになりますか
「そうですね。駆け引きが勝負になりますね。いつもスコアで先行されるので、どうしても苦しい展開になってしまう。第1、2局にウエイトを置いてスコア面でも先行していきたいですね。」
-戦法・戦術的にはどうですか、ここ数年は振り飛車が中心ですが、昨年の5番勝負では居飛車も採用しましたが
「唯一の勝利が居飛車でしたが(笑)。今回もいろんな将棋を指したいです。」
・皆様に感謝の気持ち (LPSAの理事として)
-LPSAでは渉外広報担当理事を務めていますが
「おかげさまで『マイナビ女子オープン』も3者で契約が出来ました。本当にありがたいことです。今は他の社との契約のお話をさせていただいておりますが、スポンサー様とファンの皆様に喜んでもらえるようないいお話にしたいですね。」
-交渉案や書類作成など全てされていますが
「設立すると決めた時から今まで経験のないことをたくさんしなければならないのは、自覚していましたので、そんなに大変だとは思いません。日本に今まで一つしかなかった団体から独立することになるわけだから、それだけ責任ある仕事をしなければならない。ファンの皆様もスポンサーの方も応援してくださっているのは嬉しいし、励みになりますね。」
-渉外以外の部分でやってみたいことなどはありますか
「これは広報という面からですが、女流棋士を『カッコいい』憧れの存在として見てもらえるようにしたいですね。必死に対局している姿や指導対局などをしている姿など、LPSAはフットワークの軽さが武器なわけだし、その姿を出来るだけ伝えて、知ってほしい。その為にもみんなが少しでもレベルを上げていくことが大事ですね。だから今回も“結果”が欲しいです。」
・「プロ」について、いろいろと思う (近況)
-麻将連合にもツアー登録されましたが(詳細はこちら)
「先日、研修を受けましたが、カルチャーショックでしたね。競技プロとして、歴史・ルール・マナーをきっちりと教え込まれる。例えば“筋”という言葉があるのですが、それをどう説明するかをそれぞれに考察させて、それぞれの言葉で伝えるようにするんです。将棋でも筋が良い・悪いって感覚的にしか説明されませんけど、大盤などに駒を並べてみると、言葉では何が良くて何が悪いのか説明が難しいところがある。将棋でも取り入れることができる事がたくさんあって、非常に驚きました。」
-今後はどういった活動をされるのですか
「日程の関係もありますが、ツアーに参加する形になります。ランキングがあって、上がっていくと“女流”というのが取れて“ツアープロ”となります。」
-お忙しいとは思いますが、最近の楽しみは何ですか?
「野球ですね。家に帰ってネットやスポーツニュースを見るのが楽しいですね。今季はセ・パとも混戦で面白いですね。」
-ひいきの球団とか選手は?
「特にここ、というのはないですが、阪神がここで崩れたのは意外でしたね。選手では広島の黒田投手やヤクルトの青木(外野手)選手ですね。プレイヤーとして素晴らしいですし、“プロ”として見ている方に訴えかけるものを持っていますね。かくありたいです。」
-球場へは行かれたりはしますか?
「さすがに今年は無理でしたが、いつもなら月に2、3回は行ってました。地方の球場とかも行ってみたいですね。」
-最後にファンの皆様に抱負を
「個人的にはリベンジになりますので、負けられない戦いです。またLPSAにとっても初のタイトル挑戦になるので、何としても持ってきたいですね。先日の王位戦でも深浦王位も『九州にタイトルを持ってくることができた』と言ってましたので、私も『LPSAにタイトルを持ってくることができた』と言えるように頑張ります!」
(2007.9.27 駒込サロンにて インタビュー・文責 企画開発課:出原)
第1回目のインタビュー、いかがでしたでしょうか。"Natural Talk"というにはやや固い内容になってしまったかも知れませんが、石橋四段のLPSAとファンに対する熱い気持ちが伝わって来る内容だったのではないでしょうか。皆様のご感想などをいただければと思います。
次回の「Mint」は11月上旬更新予定です。お楽しみに!






























