日本女子プロ将棋協会

R E P O R T

REPORT 2023.08.10

女流棋士×競技かるた日本一が語る100%のパフォーマンスを発揮するために大事なこと 前編

-技術・メンタル・勇気・運・食事・運動- 総合力が勝負を制す

【PR クレアゾーン発売記念】

近年では、将棋、囲碁、麻雀といった頭脳競技がweb中継され、多くの人々がそのプレーに魅了されています。特に心理面のかけひきや知力のぶつかりあいは、究極の頭脳バトルと評されて、単なるエンターテイメントに留まらず、学校教育やビジネスの現場でも注目されています。

こうした頭脳競技に注目が集まっている情勢を踏まえ、ユニテックフーズ株式会社では、知的パフォーマンスを引き出すサプリメント「クレアゾーン」を7月4日に販売開始しました。「クレアゾーン」はクレアチンというアミノ酸を配合した、頭脳競技者のコンディションをサポートする商品になります。

商品開発にあたっては、公益社団法人日本女子プロ将棋協会 (LPSA) 所属の女流棋士の皆様と、競技かるた (※1)の名人位経験者で今年の3月にタイトル戦を制した粂原圭太郎(くめはら けいたろう)八段に協力いただきました。

発売を記念して、LPSAの代表理事である中倉宏美女流二段と粂原八段に、勝負においてパフォーマンスを発揮するために大事なことをテーマに、対談を行ってもらいました。

(インタビュー日:2023年7月13日、取材・文 ユニテックフーズ株式会社 志村広樹)

 
-本日はお集まりいただきありがとうございます。女流棋士と競技かるたという分野が異なるお二人に話を伺いますが、お相手の競技についてどのような印象を持っていますか?

-中倉 
広瀬すずさんが主演の映画「ちはやふる」や、You tubeで粂原さんと森内先生 (森内俊之九段) と環那さん (鈴木環那女流三段) がかるたをしている動画 (※2) を見ましたけど、凄い不思議な世界という印象を抱きました。札を払う素振りをしたり、15分間で札を暗記したり、札の配置を変えたりと戦術も色々あって、将棋もそうですけど普通の娯楽から競技の領域へ移行すると、途端にシビアになる点は非常に共通してるなと思いました。あとはよく言われるかもしれないですけど、札をあんなふうに払い飛ばすのがすごいですね。 片付けるのが大変だなと思いました (笑)。

-粂原
あれはもはや一連の流れでして、札を払い飛ばした人が取りに行きます。ですけど、確かに見慣れていない方にとってはシュールかもしれませんね。

-中倉
札を払い飛ばして元の位置に戻すのを繰り返すのは、結構シュールな感じがします。あとは、素人目にはどちらの選手が早く札を取ったかは分からないですね。

-粂原
そうですよね。スロー再生が無いとなかなかわかりづらいところがありまして、そうしたわかりづらいところをわかりやすくするのはかるたの世界の課題です。将棋は一局が長くて、素人目には何も行われていない動かない状態が多くある中で、全く指さないような方がたくさん見に来るような工夫がされているのが本当にすごいと思います。私も趣味で将棋を指し、動画も視聴しますが、Abemaの中継やその他チャンネルを見るたびにいいなと思い、かるたも見習わなければと感じています。

-中倉
将棋も結構マニアックな世界で、二人の脳内で繰り広げられているので、解説者がいないと何をやってるかわからない側面があります。最近は解説が上手な棋士の先生も増えているので、観る将の人やさらにはルールもちょっとあやふやなぐらいだけど、見ているだけで面白いという方も多くなってきていますね。かるたは、アスリートのような札を思いっきり払う派手なアクションや、配置を自由に変えられるところ戦略性が面白いと思います。将棋で駒の配置を勝手に変更したら反則負けです。

-粂原
各自がいつでも札の配置を変更できるような自由があるのもかるたの魅力です。その一方で、それこそ将棋のようなプロ競技に昇華していくためには、明確にしなければならない曖昧さもあります。競技かるたは、どちらが札を取ったかの判定は基本的にセルフジャッジで、大きな大会でも審判の方が目で見て判定します。そのため、試合中にどちらが札を取ったかを選手同士が主張しあうこともしばしばありますし、正直肉眼では判別し難いこともあります。ビデオ判定などを取り入れる仕組みも必要だと思います。

-中倉
本当にすごい世界ですね。試合中に選手同士が主張しあうと聞くと、メンタルが強くないと厳しそうです。

-粂原
メンタルは非常に重要だと思います。主張の結果がどうであれ、切り替えて次の一枚を狙う必要があります。将棋もそうだと思いますが、焦る気持ちが出ると記憶が混乱し、集中もかき乱されてしまいます。いつも通りの実力を発揮するには、冷静な精神状態で行うことが欠かせません。

-勝負の世界でお二人は生きていますが、勝負の前や勝負の最中に心がけていることはどのようなものがありますか?

-中倉
色々なタイプの棋士がいると思いますが、一対一の対戦競技なので私は相手のこれまでの棋譜を見て、戦略を立てます。この戦型を採用しそうだからその対策をするとか、どういう将棋の展開が相手は得意で苦手かとかを綿密に準備します。なるべく相手の苦手なところで勝負しようとします。体調面では、対局の二日前からはお酒を抜いています。体調悪いと集中して考えられませんので。他には徳を積もうと意識したり、部屋を綺麗にしたりして、雑念がない状態で綺麗な気持ちで臨めるように心がけています。

-粂原
競技かるたは運の要素も大きく、たまたま直前に目にしていた札が次に読まれて早く取れるということもあります。時には理不尽と思うような流れもありますが、世の中はそういうものだと思いながらメンタルを動じずにポジティブに試合を進めることを心がけています。試合中にミスをしたら、強制的にリラックスすることも取り入れています。野球選手がストライクの球を見送るように、次の1枚は取れなくてもよいと割り切ります。更にミスを重ねるよりは、その1枚を代償にスイッチを切り替えられれば最終的にはプラスです。かるたはお互いに25枚を配置して始まるので、1枚にこだわりすぎないことも大切です。

-中倉
女流棋士のキャリアとしては27年になりますが、未だに勝負は難しいと痛感します。絶好調だと思っても負ける時はありますし、逆に今日はイマイチという時に、強い人に勝ったりすることもとかもありますので、考え続ける必要がある課題です。対局中の優勢な時こそ危ないんですよね。劣勢な時こそ手が伸びるというか、ダメかもしれないと感じるからこそ勝負勝負と強気に行けますが、この有利を維持しなければならないと思うとかえって踏み込めないものです。優勢と意識した途端崩れるということが結構あって、最近の課題です。

-粂原
とても分かります。自分も勝ち切ることが課題です。以前は逆転負けを食らうことはほとんどなくて押し切るタイプだったのですが、ここ最近、差を詰められることが増えています。実際、4月に全日本選手権というタイトル戦がありましたが、準決勝で逆転負けを喫しました。

-中倉
将棋界全般で、若手のほうが逆転勝ちが多い気がします。キャリアを重ねていくと、序盤・中盤の経験値もたまり、動じない精神も培われて強くなっていく気がしますが、無難に指そうとする意識が強まってしまいそれで失敗することも増えていくのだと思います。若いうちは皆さん尖がっていて、負けを恐れてないところもあり、勢いよく行ってそれが的を得ているとわかりやすく勝ち切れます。 谷川先生 (谷川浩司九段) の光速流のような最短の勝ちを目指す形です。年を重ねて守りに入ってしまうと、そういった鋭さは少なくなっていくのだと思います。今の私のスタイルとしては、序盤リードしていかに逃げ切れるかみたいな勝負を心がけています。そしてリードを築いても特段に良いと思わないように言い聞かせ、これも一局と意識しています。

-粂原
なるほど、勝ってる時こそ無難に逃げないっていうことは大切ですね。自分では認識していなかったのですが、老いみたいなものも少しあるかもしれません。競技かるたのピークは20代後半から30前半と言われていて、自分は32歳なので、認識を新たにしていかなきゃいけない時期かもしれません。将棋においても重要だと思うのですが、自分と向き合うというか、自分を知る努力っていうのは、やはり大事ですね。

-中倉
冷静に敗因を検討して次に生かすには、自分の欠点にも向き合わないといけないと思います。女流棋界のトップである里見さん (里見香奈女流五冠) と西山さん (西山朋佳女流三冠) のお話を聞いていても、反省がとても多いのです。先日、西山さんの就位式で話を聞いて、あんなに勝ちまくっていてまるで無敵状態なのに、「ちょっと悩んでます」と言っていて壁にぶつかっているみたいでした。どこに壁があるのと私には見えるのですが、やっぱりそういうトップの人とか強い人ほど、そうやって自分の壁と向き合ってるんだなって思いました。だからこそ私のような女流棋士では、なおさら欠点に向き合うことは必要と思いました。

-対局のためのコンディション調整にあたり、ランニングや筋トレを取り入れる棋士が増えている印象を受けます。お二人は運動を取り入れていますか?

-粂原
競技かるたの名人戦にかれこれ6年間出場していますが、体つくりを大会の3ヶ月前から始めています。1年目は体つくりがないまま臨みましたが、2年目からは自分の動きやすいのは 62kg前後というのを踏まえて、かるたに適した体に絞っています。ジョギングなどの運動は脳の活性化にも効果的という研究報告があるので、単なる体つくりに留まらない
良い影響があると思っています。

-中倉
棋士はあまり運動習慣がない人生だった人が多いと思いますが、やっぱり将棋に良いことをやりたい人たちではあります。渡辺明九段のようなトップクラスの方々がそうしたことを取り入れていると聞くと、後輩たちも真似します。以前は盤上の技術以外の勉強は将棋に役に立たないという風潮でしたが、今はAIもすっかり普及して、より柔軟性が必要で、より総合力が問われる時代だと思います。運動してすぐに将棋の技術が飛躍的に向上するわけではないですが 、そうしたものも含めて戦いだと思います。

-粂原
総合力というのは本当にそうで、特にかるたは運も絡むので心身ともに整えて、人事尽くして天命を待つという思いです。

-中倉
私自身はそんなに運動をしているほうではないですが、最近はプール行ったりします。泳ぐのが運動の中では1番楽しいですし、その他のことを考える余裕なくなるのでリフレッシュして雑念が払える気がします。You tube を見ながら筋トレをやったり、リングフィットアドベンチャー (任天堂の筋トレRPG)をやっていたりした時期もありましたが、飽きっぽくてなかなか続かないですね。女流棋士はリングフィットの保有率は高いようです。

-今回「クレアゾーン」の発売にあたり、LPSA (公益社団法人日本女子プロ将棋協会) 様と粂原様にはテスト品のサンプリングから協力いただき、推薦を頂いております。今回の取り組みにどのように捉えていますか?

-中倉
最初、ユニテックフーズ様から話を頂いた際はサプリメントについても詳しいわけではなく、クレアチンについてもよく知りませんでした。協会で所属女流棋士を対象にテストモニターを募集したのですが、皆さん前向きに協力してくれて若い子も積極的でした。やっぱり盤を挟む際には心身万全の状態で臨みたいという思いは皆さんあるので、サプリメントという選択肢も新しい切り口と感じました。知的パフォーマンスを引き出すというコンセプトも良いですね。

-粂原
競技かるたの試合では1枚差で負けたことはこれまでたくさんあって、特に今年の名人戦では、5番勝負で2試合がその1枚差負けでした。結局2勝3敗で敗れて名人位を奪取できなかったのですが、そのあと1枚、紙一重の差、あと1%をどのように今後埋めていくべきかを痛感しました。自分は、そのために様々チャレンジしていきますし、このクレアチンが配合された「クレアゾーン」はその相棒だと思っています。試作品から味見していましたが、レモン風味で以前より美味しくなり、食べやすくなりました。

-中倉
対局中の指し手のキレの度合いなどは指している本人こそわかりますし、100%の力を出せていないもどかしさは自分にのしかかってきます。将棋やスポーツだけではなく、知的パフォーマンスのお供にサプリメントを取り入れることは、これからどんどん当たり前な時代になっていくように思います。

-粂原
勿論、普段の食事や睡眠も大切ですが、こうした選択肢を把握しておくことも勝負の世界では欠かせないと思います。

 後編では、AIとの向き合いかた、趣味でのリラックス方法などについて伺っていきます。

■補足
※1 「競技かるた」とは?
小倉百人一首の100首の札の中から、自陣と相手陣に25枚ずつ並べ、読手(どくしゅ)が読んだ札を取っていく。自陣の札を取る、または相手陣の札を取って自陣の札を相手に1枚送ることで、自陣の札を減らすことができる。先に自陣の札を0枚にした方が勝ちとなる。

※2 森内俊之の森内チャンネル♯59 札が舞飛ぶ~!畳上の格闘技 競技かるたの名人に挑む‼https://www.youtube.com/watch?v=25nxrgvFLVE&t=7s

LPSA推薦 知的パフォーマンスサプリメント「クレアゾーン」発売開始