R E P O R T レポート
蛸島彰子女流六段 公式戦引退のお知らせ
平素より、日本女子プロ将棋協会にご理解とご支援をいただきまして、誠にありがとうございます。
この度、当協会所属・初代女流名人の蛸島彰子女流六段が、来年度以降の女流公式戦にエントリーせず、残りの対局がすべて終了した時点で公式戦から引退することになりましたのでお知らせいたします。
今後は、第45期岡田美術館杯女流名人戦予選(12月20日、対戦相手:安食総子女流初段)、および第40期霧島酒造杯女流王将戦予選(日時未定、1回戦対戦相手:長沢千和子女流四段)に出場し、最終対局日をもって公式戦引退となります。
その後はLPSAプロとして引き続き活動し、当協会特別相談役も務めてまいります。
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<蛸島彰子女流六段のコメント>
「続ければ人生」を座右の銘として、無我夢中で歩んで来た将棋人生であったと思いますが、迫りくる年齢の波に耐えることが難しくなって来たような気が致しますので引退を決意しました。
私をここまで育ててくれた将棋から全く離れた生活をするのではなく、プールから上がって、プールサイドから、若い芽の伸びを楽しみに眺めて、将棋文化の普及、発展に寄与出来れば幸せと感じています。
長い間ありがとうございました。 蛸島彰子
<中倉宏美代表理事のコメント>
女流名人4期・女流王将3期獲得という輝かしい実績や、女流棋士第一号として、将棋界での女性の活躍の場をゼロから作り上げてくださったことはもちろんですが、今日まで将棋への情熱を保ち続け、半世紀にわたる長い棋士生活を努力とともに歩み続けてこられたことに、あらためて敬意を表します。
それほど偉大な方でありながら、後輩の私たちにはいつも気さくに優しく接してくださいます。尊敬する大先輩が身近にいてくださることの幸運に感謝しながら、これからも協会と女流棋界の発展を共に目指していけたら嬉しく思います。
<蛸島彰子女流六段 プロフィール>
LPSA番号 : 1
生年月日 : 1946年3月19日(71歳)
出身地 : 東京都杉並区
座右の銘 : 続ければ人生
〇昇段履歴
1961年 7級で日本将棋連盟新進棋士奨励会入会
1966年 初段で奨励会を退会
1967年 女流二段
1974年 女流三段
女流棋士第一号として第一期女流名人位戦に参加、
決勝で寺下紀子初段(当時)に勝ち初代女流名人となる。
1976年 女流四段
1988年 女流五段
2017年 女流六段
〇棋歴 タイトル獲得 通算7期
女流名人位戦4期(第1-3期、第8期)
女流王将戦3期(第1-3期)
〇優勝 LPSA 1dayトーナメント 1回
〇公式戦通算成績
331勝326敗(2017年12月8日現在)
〇賞
第8回、9回 将棋大賞女流棋士賞 (1980年度、1981年度)
第21回 東京将棋記者会賞 (1993年度)
将棋の女流棋士第一号、初代女流名人、初代女流王将として女流棋界の礎を築き、長くNHK杯テレビ将棋トーナメントの棋譜読み上げを務める等「女流棋士」の存在を世の中に広めました。
将棋の普及活動、女流棋士の地位向上や育成においても、中心的役割を果たしてきました。
現在、公益社団法人日本女子プロ将棋協会特別相談役。